2017年11月15日水曜日

番外編:テズリン&ユーコン川①(カナダ、ユーコン準州)2014.8

番外編:テズリン&ユーコン川①(カナダ、ユーコン準州)2014.8

カヌーを始めて約12年。ツーリング系のカヌー乗りで、Be-Palや野田知佑氏の著書を読んでカヌーの道に入った人間にとっては、最後の聖地「カナダの川」をついに下ることに。

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多くのアウトドア好きに多大な影響を与えたであろう野田知佑氏の「ゆらゆらとユーコン」平成6年刊→「ユーコン川を筏で下る」平成28年刊、今回の旅でいっしょだったガイドの佐久間さんやカートも本書に登場している。

2014年のお盆明けの土曜日、蒸し暑い中を重いスーツケースを引いて中部空港へ、長年夢見た旅がスタートした。今回の移動は、まずJALで成田まで向かい(1時間10分)、そこからはエアカナダでバンクーバーへ(9時間)。さらにエアカナダでホワイトホースへ(2時間)向かうというルート。乗り継ぎはいずれも1~2時間で非常に効率よく移動できる旅程だったのだが、機材(飛行機の)到着遅れのため中部空港出発は最初から30分遅れ。成田での乗り換えは1時間半もないが、、、、大丈夫か?、いきなり波乱含みのスタートとなった。

カヌーをやりたいと思ってから約20年、初めての海外旅行でついにあこがれの地に

書くのも恥ずかしいが、初めての海外旅行で何かとわからないことが多い。バンクーバーでの乗り換え時に荷物はいったん受け取って通関手続きをしてから再度預けるのか?、そのままお任せでホワイトホース空港で通関するのか?、そこのところが良くわからない。

日本語が通じるうちにしっかり聞いておきたいと思い、中部空港で荷物を預けるときに聞いたが「ここでは分からないので成田で聞いてくれ」とのご回答。これが次のピンチにつながってゆくことに、、、

DAY1:旅の始まりは中部国際空港→成田空港、伊豆七島の利島上空を通過 (15:28)

中部空港を離陸して、たった15分で伊豆七島の利島上空まで来た。これは15分ぐらい遅れを取り戻せるか?。大きく旋回して成田空港に着陸したのは離陸から40分後、良いぞ良いぞ。しかし、誘導路に入ってからゴトゴトといつまでたっても飛行機は走っている。どうやらターミナルから一番遠いB滑走路に降りたようで、15分ぐらい地上を走ってようやく止まった。やれやれと思い飛行機から降りると、ボーディングゲートではなくバスが待っていた。

いやー、出張で国内のいろんな空港で飛行機に乗ったけど、天下の成田でバスかよ!。せっかく早く着いたと思ったのにフライトは40分、成田の地上で30分じゃないか、、、、結局予定通りの時間でターミナルに到着、トホホ。

機内食の味はまあまあ、チョコレートケーキはうまかった (18:09)

他の国際線乗り換え客とは逆方向に動いてJALのカウンターへ。バンクーバーで荷物を受け取って通関してから、カナダエアの国内線に預け直してくださいとのこと。バンクーバーでの乗り換えは1時間少々だが大丈夫か?

長い通路を戻ってようやく出国ゲートの最後尾に並び、初めての出国手続き。ほぼ最後で通り抜けると、カナダエアの方は急いでくださいと言われた。出発ゲートへの道順を聞くと、下に降りてずーと真っ直ぐに走ってくださいとのこと。長い地下通路を必死で走る。私ともう一人が乗り込むとドアが閉められ、席に着くとすぐに飛行機は動き始めた。

DAY2:朝のバンクーバー空港に到着、体が痛い (日本時間3:11→現地時間10:11)

機内ではすることもないので前席のヘッドレストについている個人用のディスプレイで映画を見ることしたがイヤホンが無い。日本語の通じるCAも居ないようなのでそのまま無音で映画を見ながら、寝たり起きたりして時間をつぶす。横に7列の中央席だったが隣が空き席で助かった。英会話の本を持ち込んでいたが、必要に迫られると結構真剣に読めるものだ、笑。着陸前に通関の申請書が配られるのでボールペンを持ち込んでおいて助かった。

空港内はあまり人もおらず、長い通路を延々と移動(10:12)

入国審査は空いていてよかったのだが、30歳ぐらいの審査官のお兄ちゃんがやたらいろいろ聞いてくる。「観光目的です、行き先、滞在日数」けっきょく3つとも聞かれた。旅程や宿泊先の話になると、私の英語力では厳しいので、出発前にもらった旅程表と地図を英訳して印刷したものと、日本で自分がカヌーをしている写真を持ってきていたが、使用することなくカナダの入国スタンプを押してもらえた。あまり時間もないので、自販機でスナック菓子を買ってホワイトホース行きのゲートに急ぐ。

バンクーバーから3時間ほど飛んでホワイトホース空港に到着(13:34)

ここで、日本人ガイドの佐久間さんと合流。やれやれ、これで言葉も通じるしツアーにも問題なく参加できる。自分的にはツアーが半分終わったぐらいの安堵感があった、笑。だって、もしも途中でトラブルに巻き込まれて言葉も通じなかったら、もうおしまいだったからね。


今回はモンベルのツアーに参加したのだが、英語力もなく休みの日数もギリギリの私のような人間にとっては、すべてセッティングされていて日本人ガイドもいるこのツアーに参加する価値は大きい。もっと時間と英語力があれば全く違った旅もあったかもしれないが、今の私にとってはツアー参加が最良の選択だったと思う。

大きなスーツケースを引いて空港の駐車場に移動(13:36)

他の参加者2名とも合流して簡単にご挨拶。お一人はバンクーバーから隣の席に座られていた方で、1週間ぐらい前からカナダに来てトレッキングなどをされていたらしい。もう一人は成田からの便で通路の向こう側に座っていた方だった。なあんだ、と笑いながら簡単な自己紹介。お二人ともこのツアーのリピーターのようだが、2回も参加したらツアー代だけでも7桁越えやん、、、、すごいな~!


空港から大きなバンに乗って、有名な「カヌーピープル」に移動、看板下にあるのはシーカヤック(14:29)

店内は思ったより広く、床から天井までカヌーとキャンプ用品が所狭しと置かれている。ここまでカヌーの道具を全く持たずに来て、買いそろえて出発することも可能なぐらいの品ぞろえだ(もちろん、あまりお勧めはしないが)。明日から使うリバーマップや小物、釣りのライセンスなどを購入した後、店の裏に回って、明日から使うレンタル品のテント、パドル、ライフジャケットを選ぶ。裏庭には新品や中古、レンタルのカナディアンやシーカヤックが30艇ぐらい置いてあった。ユーコン川と言えばカナディアンしか無い、と思っていたがどうやらそうでもないようだ。

店の裏手はいきなりユーコン川、流れの速さは歩くスピードの2倍ぐらいで結構早い(14:30)

店からユーコン川に直接漕ぎ出せるようになっていて、なんて便利なロケーションだと思ったが、30kmほど先でレイク・ラバージュ(ラバージュ湖:全長50km)に注ぎ込んでおり、その先のユーコン川のハイライト区間を漕ぐのには、ここからのスタートはあまり現実的ではない。まあ、1~2日で湖まで川の雰囲気を味わうには便利かもしれないが。というか、川のスケール感が「笑えるぐらい」日本とは異なる。

店の前の道路の先には保存鉄道のレールが敷かれている(14:57)

どんな電車が来るのかと思ったら、バッテリー式?の路面電車だった(14:58)

モーテルのユーコン・インは至る所にハイダ族のデザイン画が飾られている(15:28)

カヌーピープルから、町の北にあるユーコン・インまで移動。佐久間さんに手続き(通訳)してもらって無事に全員チェックイン。英語が苦手な自分だけだったら、この時点ですでに無理だったかも、笑。

一人で泊まるには十分広い部屋、ベッドもごみ箱もバカみたいにデカい、笑(15:29)

ここで一番感心したのはシャワーの水量調整ハンドル。一つのハンドルを回すと水量が増え、さらに回すと温度が上がる。日本みたいに温度と水量を別々に調整する必要がない。アメリカの(ここはカナダだが)設備はだれでも簡単に使えるようになっていると聞いていたが、日本でも採用すればいいのにと思うほどの優れものだった。

部屋からの眺め、駐車場は広いがトレーラー(モーターホームや、ボート、バイク、水陸両用バギー)を引っ張った車も多いのでちょうど良い感じだ(15:29)

すぐに買い出しに行くという事だったので、慌ててシャワーを浴びて準備をする。窓から外を見ると、このモーテルは結構大きいんだなあ。

ピックアップトラックや、キャンピングカーなどがほとんどで、本当にアウトドアの本場に来たんだなあと感じる(15:29)

再び集合して、ホームセンターのカナディアン・タイヤに移動(16:00)

ここもまた本当に店がデカい!。店名の通りタイヤとカー用品ももちろん置いてあったが、用品だけでなく純正部品のオイルフィルターやエアクリーナー、ベルト、ブレーキなど結構細かい部品までいろいろ在庫しており、なんちゃっての物しか置いていない日本のカーショップとはレベルが全然違う。専用工具や修理書なども車種・年式ごとに売られており、自分で車を整備する人が部品を買いに来る店といった感じの品揃えだった。

見ているだけでも楽しい、カナディアン・タイヤのhpチラシ

日用品や雑貨、キャンプ道具、釣り具、猟銃やガンロッカーも普通に売っている(16:02)

ここに来た目的の釣り用のルアーを見ていくが、釣りコーナーだけで日本の釣り具専門店と同じぐらいの品ぞろえ。佐久間さんにアドバイスをもらってルアーを選ぶ。お隣のコーナーをのぞきに行くと、背丈よりも高いガラスのケースにライフルやらショットガン、拳銃など、大口径から小口径まで50丁ぐらいが展示してあった。うーむ、銃社会というよりも生活用品の一部のような感じだ。人の数よりクマや鹿の方が多いこのあたりの人から見れば、山に丸腰で入ってクマに襲われている日本人の現状を知ったら、普通に「Oh! クレイジー」とか言われるんだろうなあ。

ホームセンター好き(笑)の自分としては半日いても飽きない場所だったが、次の場所に移動するために後ろ髪をひかれる思いで店を後にする。次に行ったのはリカーショップで、酒は町の中でもここでしか売っておらず、スーパーなどには置いていないという話だった。日本のようにどこでも酒を売っていて、屋外で自由に飲めるのとは全くルールが異なるようだ。佐久間さんのアドバイスを聞きながら、飲料水代わりにしこたま買い込んだ。

町の中心部の商店が並んだ場所でバンから降ろしてもらい自由行動(16:09)

移動途中でスーパーの場所も教えてもらい自由行動になった。あとで少し離れたカヌーピープルで再集合することになり、いったん解散。

このあたりのストリートビュー

This statue is dedicated to all those who follow their dreams. (16:12)

グーグル翻訳(笑)によると、「この彫像は、彼らの夢に従うすべての人に捧げられています」とのこと。

教えてもらったアウトドアショップに立ち寄る(16:46)


お店の人が親切に声をかけてくれるが「アイム ジャスト ルッキング」とか言いながら広い店内を一周。品ぞろえは日本のショップ(スポーツオーソリティーやアルペン)とほぼ同じで、値段は1~2割ぐらい高いか?。日本では見かけない、サングラス用と車のスマートキー用の小型防水ケースをお土産用にいくつか購入。防寒用にダウンジャンパーを買おうかと思ったが思いのほか高かったのでやめた。

日本では全く見たことが無いキャンプ用品と言えば、ベアキャニスターという食べ物を入れる頑丈なケースが売られていた。クマに荷物を取られても食べ物をとることが出来なければ次に人を襲うことはなくなるだろうという考えで作られた装備。

通りを少し歩いて本屋に移動(16:49)

本屋では面白い本がたくさん有って行った甲斐があった。お国柄か、飛行機と車の本が充実していたが、小型機操縦のハウツー本とか日本では見ないような本もあって面白かった。アウトドア系の雑誌には必ずハンティングや銃の記事があり、日本の釣りと同じような感覚なのだろうか?。地元の地理や自然、オーロラの写真集や、ゴールドラッシュの歴史の本もあり、お土産用に何冊か購入。カラーの雑誌なら1000~1500円ぐらいの感覚で、日本より少々高い。
途中でスーパーに寄り、水やらジュースなどを買い出し。清算レジがイケアやコストコと全く同じコンベアーに自分で商品を載せる方式で、思わず笑ってしまう。こっちじゃ、これがスタンダードなのね。歩行者が誰もいない歩道を一人で歩いて、カヌーピープルに向かう。

カヌーピープルで再集合した後は、ボストンピザで前夜祭を兼ねた夕食(19:29)

佐久間さんの他に、メインガイドの「カート」も合流して、にぎやかに自己紹介など。ピザにスパゲティー、スペアリブとサラダといったところを頼んでシェアしたが、量を見誤って最後は結構苦しかった。まさにカナディアン・サイズ、笑。24時間以上、機内食やパンしか食べていなかったので、スペアリブが本当に美味しくて感激。

ボストンピザから出ると外はまだ明るい(20:27)

さすが、緯度が高いためか夜の8時半だというのにずいぶん明るい。
ユーコン・インに送ってもらった後、佐久間さんは夜の便で到着する残りの参加者を迎えに空港へ向かった。部屋のwiーfiを接続して日本の家族に無事到着をメール。

ヒマなので駐車場を歩いて北米の車事情を見物していると、ゼッケンステッカーを貼った小型のクラッシックカーのオーナーがライト片手にシリンダーヘッドを外している最中だった。なにやら、クラッシックーカーの耐久レースか、長距離ラリーでも開催されているのだろうか?。オーナー氏は一生懸命やっているが、いろいろ迷いながら作業をしているようだった。言葉が通じたらちょっと声を掛けて助けられたかもしれないが、余計な邪魔をしてもいけないので部屋に引き上げる。英語ができたら世界が広がるというのは本当なんだろうなあ、こんなことなら学生の時にもっと真剣に勉強しとけば良かった。

カヌーツアーの間、ユーコン・インでスーツケースを預かってくれることになっているので、キャンプで使うものを佐久間さんから渡された大小2つの防水バッグに詰め、いらないものはスーツケースにしまってカギを掛ける。ようやく準備完了、明日は天気が良いといいなあ。



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