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DAY6:ぐっすり眠って4日目の川旅がスタート(7:10)
今朝のメニューはタコス、いろいろな具材をのせていただく(7:12)
今朝のフルーツは、メロン、オレンジ、リンゴ、ぶどう、本当に贅沢な朝食(7:13)
調子に乗って具材を入れすぎるとタコスが太くなりすぎて食べにくい、笑(7:14)
ガシャガシャという石を跳ねのける大きな音とともに、上流の対岸からエルクが突っ走って下流に向かっていった(8:11)
野生動物との出会いは瞬間の勝負だ、いつどこに現れても良いよう、カメラは肌身離さず持ち歩いている必要がある、笑。
カナダのヘラジカとその種類(カナダ観光局)
いったい何があった?(8:11)
ただならぬ様子で、走る場所がなくなるとそのまま川に飛び込んで下流に泳ぎ始めた。
続いて何頭か来るかと思ったが何も現れず(8:14)
朝のカメラ散歩(8:40)
テズリン川流域で毎日見かけるタコのような身の付いた面白い植物(8:41)
この先の深い森は何千年も、それ以上も人間が踏み込んだことの無い場所かもしれない(8:43)
足元の苔は深く、長靴が10cmぐらい沈み込んでゆく。日本ならどんな山奥でも道があって人工物があり、見晴らしがよい場所からは高圧線や町が見えるが、ここでは川のみが人間が通れる「道」であり、川から一歩離れればもう人間が立ち入らない場所が数十kmもつづく。
カヌーで1kmほども進むと、先ほどのエルクが右岸にいて逃げ出した(9:10)
行き止まりになると我々の目の前を泳いで川を渡り始めた(9:10)
ブフォブフォ!と、大きな息を吐きながら早い川の流れに乗って泳いでゆく。時々大きな白目をむいてこちらを見るが、本当に必死なのが伝わってくる。
我々も追い立てたり脅かす気は一切ないのだが、両側に切り立った崖が続く場所で、流れも速いのでエルクを先に行かすこともできない。エルクには申し訳ないが、結果的には追い立てるような形になってしまう。
ようやく左岸に森が現れ、エルクは森の中に消えていった(9:22)
やれやれ、エルクには悪いことをしたがうまく森の奥に逃げられるといいね。
川幅が大きく広がり、左右に開けた森が広がる場所に出た(9:27)
左岸の森の中から出てきたエルクが再び我々の前を右岸に向かって泳いでゆく(9:30)
え!なんで?、どうして我々の前を横切って行かなければならないのか?。前の方を漕いでた人によると左岸側の森の中に、オオカミの影が数頭見えたとか。エルクはオオカミよりも、我々の方が危険が少ないと思って、目の前を横切って右岸に逃げたようだ。
図らずも、われわれがオオカミとエルクの間に割って入る形になり、エルクは無事に逃走に成功したようだ。すごい迫力で大きな水しぶきを上げながら浅瀬を突っ切り、右側の森の奥に逃げ込んでいった。数頭のオオカミは「チッ!」という感じで森の中に消えていったらしい。佐久間さんの話では、ずっとオオカミに追われて川岸に追い詰められて下流に向かって逃げている最中に我々と出くわしたのだろうとのこと。佐久間さんも少し興奮気味で、これはめったに見れない光景だったようだった。
生き物たちの命をかけた弱肉強食の世界、ここはリアルなアニマルチャンネルだ(9:38)
動物ドキュメンタリー番組でしか見たことの無いような光景が、たまたま通り掛かった我々の前で展開されたことで、「ああ、ここまで来てよかった」という感動がジワジワと込み上げてきた。
今度は左岸側に広大な山火事の跡がどこまでも続く(9:49)
遠くの山の中腹まで丸焼けになっているが、一体どれぐらいの面積が焼けたのだろうか?(10:09)
ここにいた動物たちは大丈夫だったのだろうか?。またまたTV番組で見た飛行機で消火活動をする森林消火隊の映像が頭をよぎった。いやー、本当に自分が来たかった大自然の真っただ中に来たんだよなー。
30分以上漕いでも焼け跡がずっと続いている(10:14)
丸焼けになった大地から、赤い茎の草がたくさん生えている(10:15)
佐久間さんによると、この植物は山火事の跡に翌年必ず生えてくるそうで、その後に順にいろいろな植物達が生えてきて生態系が回復してくるらしい。
小さな支流の流れ込みで小休止(10:43)
大きなポリタンクでカートと佐久間さんが水の補給をしていた。
これまた大きなひづめの跡、こりゃでっかいムースか?(10:44)
フロート付きの軽飛行機が飛んでいく(10:44)
このあたりにはどこにも滑走路が無い。幅が広くて流れの緩い川の水面で離着陸するのだろう。
南の方から空が明るくなってきた(10:48)
川の岸沿いの草原を親子のクマがじゃれ合いながら歩いている(11:39)
ついに熊が出た!。声や音をたてないように筏を組み川な流れの一部となって近づいてゆく。大きなグリズリーの親熊と元気に走り回る子熊が一緒に右岸から左岸に泳いで渡りはじめた。
くそー、竿にピントが合ってた!、これだからオートフォーカスは嫌いだ(11:43)
左岸に渡ってからもじゃれ合いながら歩いていたが、200mぐらいの距離に近づいたとき、我々に突然気が付いた親熊がダッシュで森の中に飛び込み見えなくなり、子熊も後に続いて見えなくなった。
熊の親子と我々の間には柵もガラスもなく、あるのは約200mの距離とテズリン川の流れだけ。それが無ければこちらの命も危ない森の王者の圧倒的存在感。単純にグリズリーに会えたというよりも、畏敬の念すら覚えるぐらいの経験だった。
熊を見てからというもの、さらに森の奥が怖くなった、笑(12:35)
昔の金掘りの跡を地上で見られる場所に上陸することになたが、川の流れが速く上陸ポイントも狭い。あらかじめフネを上流側にターンさせ、上流に向かって漕いで流されるスピードを調整しながらフェリーグライドで岸に近づけてゆく。もっと大きなラフトボートで鍛えた操船テクニックを存分に発揮して一発で上陸ポイントに接岸できた。
テズリン川の流れ自体はテクニックらしいテクニックも要らない0.5級の川だが、流れが速い箇所での接岸テクニックだけは磨いてから行ったほうが良い。
KROCH P&M CO SF CALの社名とTAILINGS PUMP SOLID LINEDの文字が見える(12:51)
TAILINGS PUMPというのは送水用ポンプの事らしい。
4気筒のサイドバルブエンジン(12:52)
サイドバルブエンジンなんて、本でしか見たことのない大昔の吸排気バルブレイアウトだ、シリンダーの径を見ると2000~2500ccぐらいだろうか?。このエンジンでさっきのポンプを駆動していたのだろう。
サイドバルブエンジンの動弁駆動はギア式(12:52)
クランクシャフトからギアでシリンダー横にあるカムシャフトを回し、その上にある吸排気バルブを直接駆動する方式になっている。いやー、いったい何年前のエンジンだ?。
砂金を分離するための樋のような構造物の残骸(12:54)
人力で皿を使って砂金を分離するのはしんどいし腰も痛い、笑。そこで考えられたのは凹凸のある長い樋に、先ほどのポンプで水を流しながら、そこに砂金を含んだ砂を流していけば、樋の凹凸に砂金が引っかかって取れるという寸法だ。
今でもドーソンの辺りでは砂金を掘っているそうだが、浚渫船で川底の砂をさらって、巨大な専用船や台船の上の工場で砂金を分離しているようだ。
さらに砂金堀りの遺構を見てゆく(12:55)
砂金が川に有るのは地上の金の鉱脈が長い年月をかけて浸食され、分離した砂金が川に流れ込んで底に堆積するからだ。だったら地上の金鉱脈を探したほうが早くね?、とだれでも考えるわけで、ここには細長い溝状の堀った跡があちこちに見受けられた。
ブルーベリーが色付き始めている、てことはクマが来る?(12:59)
先ほど本物を見てからというもの、どうにも森の奥が怖い、笑。
当時の砂金掘りたちのログキャビンの跡(13:01)
試し撃ちか、練習か?、大きな弾丸の穴がいくつも開いていた(13:05)
漕ぎだしたら横殴りの雨が降ってきた、晴れたり降ったり今日も忙しい(13:51)
少し我慢して漕いでいたら北の空が晴れてきた(14:15)
ここはシューホースベントという、川の流れが馬の蹄鉄の形のようになったというかΩの形に流れている場所(14:20)
周りの270°をぐるっと砂の壁が取り巻まいている(14:33)
川の内側はドーム球場がすっぽり入りそうな、大きな砂の広場になっていた(14:33)
広い川の流れはどこまでも続いてゆく(14:49)
タープの下にテントを張って、フリースのジャンパーとレインウエアをロープに干す(16:47)
毎日のこのスタイルにもすっかり慣れて楽々で設営完了。実はこのツアー中、私はずっと川に近いところにテントを張っていた。なかには毎日、一番森に近い場所にテントを張っている参加者もいたが、森に近い場所はちょっとね。銃を持っているカートのテントとフネのある場所の間に必ずテントを張るようにしていた、笑。
ツアーの初めに佐久間さんが「こちらのクマには、おい、こら!とか言っても通じないので、Hey You!と言ってください」と冗談を言っていたが、そういう存在がいるからこそ、この森の重々しさとか自然の重圧というものを感じるのだろう。日本の自然ではこんなこと、絶対に感じないね~。
テントを建て、ユーコンゴールドが川で冷えたところで今日のご褒美の一杯。
ビーバーがかじって切り倒した木の断面、すごいね(17:43)
キャンプ地の周りをジジジジッと大きな音を立てて、尻尾まで30cmぐらいはありそうな地リスが走り回る。そのうち静かになるが、我々が森に入ろうとしたりすると、ジジジッと鳴きながら目の前を行ったり来たりして縄張りを主張してくる。
待ちに待った夕食タイム(17:46)
キャンプ地に到着するとすぐに、カートと佐久間さんはちょっとした酒のつまみを用意してくれてから、夕飯の準備を開始する。食後もお皿の片づけから洗い物までやってもらってありがたい限りだ。食材などはすぐにコンテナの中にしまい込んで、匂いにつられた野生動物が近づいてこないように注意している感じだった。
夜は食べ物を個人テントに持ち込むのは厳禁で、夜におなかが空かないように夕食はたくさん食べておく必要がある。まあ、予期せぬ訪問者が夜にテントに来ても困るからね、笑。
今日の夕食は、肉と野菜のスパイシー炒めをご飯にかけて、レタスにドレッシング(17:48)
少し寒くなってきたので焚火で沸かしたコーヒーをいただく(18:44)
今日のキャンプ地は、高台から川の流れと対岸の山並みが見えて景色がいい(18:55)
キャンプ地から見える場所に白頭ワシが飛んでいる(18:58)
まだ元気のある参加者が対岸の湾のようになった場所で魚釣りを開始(19:28)
数分ごとにベタン!という木の板を水にたたきつけるような大きな音がする。何の音?と見るが、何もない場所の水面に波紋が広がっているだけだ。もしかしてテズリン川のヌシのような巨大な魚がいるのか?。
数分間水面を見張って、ついに正体を見ることができた。大きなビーバーが尻尾で水面をベタン!と叩いては水に潜っているようだ。佐久間さんによると我々がビーバーの縄張りに入って、釣りをしているので怒って追い出そうと威嚇しているらしい。今日のキャンプ地は本当に動物の影が濃いね。それだけ人里離れたところまで漕いできているという事か。
釣りを終えて帰ってきた、流れが速いので漕ぎあがるのが大変そう(19:32)
カートが持つと小さく見えるが尻尾まで60cmはありそうなパイク(19:33)
流れる雲が水面に映り込む、もう秋の気配だ(19:34)
みんなの「オーロラだ」という叫び声でカメラ片手にシュラフから飛び出す(23:01)
少しくたびれたので明るいうちからテントの中で寝ていたが、夏でもオーロラが見えることもあると聞いて、カメラは夜景モードで三脚もセット済みで毎晩枕元に置いていたのだ。
確かに対岸の山に向こうが白っぽく光っている、この写真より実物はもっと明るい (23:11)
写真集では緑色に写っていることが多いが、それはカメラで写すとそうなるだけで実際は白色のレースのカーテンのような光だ。
動いているのが見えるわけではなく、5~10分でいつのまにか形が変わっているという感じ(23:45)
黒く写り込んでいるのは空の雲。まあ防水コンパクトカメラではこれで限界か?。こんなにはっきり見えるのなら、星空も撮れるもっといいカメラを持ってくるんだった。
オーロラ鑑賞のあとは焚き火を囲んでトークタイム(0:20)
今日も充実した一日だった。
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