2017年11月15日水曜日

番外編:テズリン&ユーコン川⑥(カナダ、ユーコン準州)2014.8

番外編:テズリン&ユーコン川⑥(カナダ、ユーコン準州)2014.8

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DAY7:テズリン川の旅も5日目(7:05)

生まれては朽ちてゆく森の木々。キリリと冷えた空気で一気に目が覚める。

低い気温での防水バッグの使用感は?(7:56)

朝の気温は約8℃、本州なら11~12月に川旅をしている感じ。

この辺りは9月に入ればすぐに雪が降り出す。夏場はどのブランドの防水バッグも同じように使えて気にする事もないが、一桁代の気温では使いやすさに差が出てくるので紹介したい。

①レンタルのシールライン30L防水バッグ、行動中の衣類などよく使うものを入れておく

透明の窓が付いていて中の物が分かりやすい。また、防水の空気抜きバルブが付いており、バッグを押すとシューと空気が抜けるので口を閉じるのに空気抜きを気にしなくて良い。生地は寒くなってもしなやかで使いやすい。
 
②シアトルスポーツ35L防水バッグ、ビール6缶パックを4つ入れるために使用

日本から持ち込んだ防水バッグ。シアトルスポーツ特有の厚い生地で、いつもはラフティング中にチームの荷物をまとめて入れるのに使用しているぐらいで強度は充分あるが、この低温下ではしなやかさが失われ、硬くてゴワゴワする感じでロールアップもやりにくい。

③モンベル20L防水バッグ

カメラや予備電池、川地図などチョイチョイ使うが濡らしたくないものを入れ、④の大型バッグの中に入れて2重防水にして使用していた。使わないときは薄くて軽いが擦過傷に弱く硬いものを入れた状態でぶつけたり船底を引きずると簡単にピンホールが開くので要注意。低温下でも生地は柔らかく問題なく使用できる。

④レンタルのシールライン115L防水バッグ

背負えるようになっており、なんでも入るしめちゃめちゃ大きい。いくらでも入るので調子に乗って物を入れていると背負えないぐらい重くなるので要注意。生地は厚くて十分な強度があるが、低温でもしなやかでゴワゴワする感じは全くない。日本に帰ってから買おうと思ったが、結構良いお値段で残念。
一桁の気温で使うにはシールラインの製品がゴワゴワせず使いやすいという結果だった。


前夜のオーロラ撮影は小型のゴリラポッドにカメラを載せてセルフタイマーで撮影

下のボトルは食材を入れている大型で頑丈な物。フタはスクリュー式になっておりクマが攻撃しても簡単に壊れない強度がある。

カメラはこの旅のために新調したオリンパスTG750

21mm(35mmカメラ換算)の広角と10m防水ででこの旅にぴったりだと思い購入。液晶画面もチルト可能で下から覗き込まなくても夜空の撮影が楽に行えた。このほかに予備カメラとして以前から使っていたPENTAX W90と、予備バッテリーを2個づつ買い足して持って行った。

5泊6日の川旅の最中はバッテリーを充電する場所などどこにもなく、フル充電のカメラ用予備バッテリーを持ち込むのが一番軽量でコンパクトだった。
最近ではスマホやデジカメをGPSロガーに使うこともできるようになったが、その分大きな充電用バッテリーを持ち込む必要がある。ただし、飛行機に持ち込めるリチウムイオンバッテリーの容量には上限があるので、購入前に搭乗予定の航空会社のサイトをしっかり確認する必要がある(各社で持ち込み上限が異なる場合がある)。

佐久間さんが使用していたハンモック(7:43)

背中を蚊に刺されないか聞いたら、防寒もかねて薄手の銀マットを背中の下に敷いていたとのこと。星空の下、ハンモックで寝るなんてなかなか贅沢だなあ、笑。
カートのテントは1ポールのメッシュタイプの三角テント。2人とも寒くないのか?、筋金入りの荒野の男たちだ。

こういうロープワークが苦手なんだよね(7:44)

アウトドア好きならマスターしているというイメージ?があるが、私は全く苦手で覚えられない。国内の旅では面倒くさいのでタープも使わないし、テントもペグ不要で建ってしまうドームテントを使用しているからか?。いや、単に私がズボラだからだろう、笑。

昨日のパイクを焚火で焼き魚に

テグスを簡単に切ってしまうような鋭い歯

身をほぐしてしょうゆを掛けたら出来上がり(8:06)

淡白な白身が普通に美味しい、みなで箸を出したら大きなパイクがあっという間に無くなってしまった、笑。

その後は普通に朝食タイム(8:22)

フレンチトーストのメープルシロップ掛けと焼いたハム、果物はオレンジ、リンゴ、バナナ、ブルーベリー(8:24)

安定性抜群のオールドタウンカヌー(9:01)

使用艇の紹介、OLD TOWN  PENOBSCOT164 (9:02)

5m×93cm、真ん中に大きなコンテナを2つ積み、前後のシートの後ろに大きな防水バッグを置いて背もたれ代わりにする。安定性は素晴らしく、テズリン川ではヤバイと思うようなことは一度もなかった。

カヌーピープルのロゴステッカー(9:02)

初めて朝から良いお天気だ(10:01)

流木の集まり、ではなくビーバーのおうち、幅10mぐらいあり結構でかい(10:15)

細い支流では川幅いっぱいに木を並べてダムを造るが、本流では小さな流れ込みに木の枝を被せて巣を作るそうだ。上に緑の葉っぱが付いた枝があれば使用中。枯れた木しか無ければ空き家とのこと。

今日は私が前を漕ぐ(10:45)

天気が良くなって気温が高くなったせいか、川の上でも顔に蚊がまとわりついてくる。このことは過去にユーコンを旅した方のhpでいろいろ研究していたので、持ってきていたモスキートネットを帽子の上からかぶる。とても邪魔くさいネットだが、パドルを操作しながら蚊を追うことはできないので被るしかない。

どこまでも続く青空が水面に映り込み、青だけの世界が広がる(10:45)

川岸の流れが無いところを狙ってパイク用の大きなルアーを投げ込んでゆく(11:07)

ここで70cmはありそうなパイクを釣り上げたが、取込みのタイミングでバラしてしまい水中に逃げられてしまった、くそー!!。針の返しを潰しているのでバラす可能性が高くなるが、釣り上げた後にリリースする場合も魚のダメージを少なくするようにという地元のルールなので仕方がない。大物釣りを目指す方は自分でタモ網を持って行ったほうが良いだろう。

筏を組んでカヌーでごろり、漕いでも漕がなくても進んでいくし(11:11)

さらに天気が良くなり山の上には雲が湧いてきた、あー平和だなー(11:31)

砂浜が続く川岸にフネを付けて上陸(11:52)

少し奥に行くと、大きなログキャビンの跡がいくつかあった(12:01)

川岸から小屋のそばまで犬のような足跡がそこらじゅうにびっしり。そんなにたくさん犬がいるわけ、、、オオカミの足跡なのね。

ログキャビン=材料の現地調達だ(12:14)

周りは森ばかりで木はいくらでもあるが、製材の道具や機械をこんなところまで持ってくるのは大変だ。冬はマイナス30℃以下まで冷え込んで雪も降るので、板張りの小屋ではとても冬を越せない。こんな理由で、消去法というか半分仕方なく「ノコギリと斧さえあればできる」ログキャビンという建築法が選ばれたのだろう。

ログキャビンというのは究極の地産地消であり、半径50m以内で材料調達できるのが最大のメリットだろう。それを考えると、わざわざ遠くからトラックで材木を運んできて街中に建てるログキャビンってどうなのよ?って思ってしまう、笑。


昼食は、肉と野菜を挟んで好きなソースを掛けたホットドッグ(12:37)

好きな具材を挟み込んで、手巻き寿司みたいで楽しい(12:38)

お気に入りのソースは、このSWEET WITH HEAT(12:42)

マヨネーズとソースとマスタード混ぜたような味で、配合が絶妙で美味しい。帰りにお土産用にスーパーで購入してしまった。

チキン用のスパイス、これも帰りにスーパーで購入(12:43)

カートと佐久間さんが川に飛び込んで泳ぎ始めたが、水はまだ冷たい(12:54)

私はちょっと遠慮しておきます、笑(13:02)

気温も低く雨も降るが、雨水はすべて砂地の底に吸い込まれてしまうし、風が乾いているのか汗もかかず、雨が止めばカッパも直ちに乾く。体がベタベタしたりあまり不快なこともなく、5日目でも意外と平気だった。
海外と日本で異なるアウトドアウェアやテントなどのスペックは、こうした気候の違いの影響も大きいのかもしれない。

ヤツメウナギの稚魚、この川で泳ぐのはちょっと怖いよ、笑(13:20)

砂浜を見つけるとすぐに砂金掘りタイム(13:20)

おなかも大きくなったところで川下りを再開(13:49)

あー気持ちいい天気(13:59)

本当に気持ちいいね、笑(13:59)

Winter Crossing(ウィンタークロッシング)に上陸、佐久間さんがテンカラを振る(15:04)

ここはレイク・ラバージュから森の中を越えて東へ続くルートがテズリン川と交差する地点。と言っても橋があるわけでもなく、川が凍結したら渡っていけるという仕組みのようだ。ルートも森林の中や、湿地や苔や倒木の中を通て行くので、冬の間しか通り抜けられないのだろう。ウーム、ワイルドすぎる。

右岸からの流れ込みの瀬の中でグレイリングの背びれがいくつも見え隠れしている(15:05)

ワンキャストでワンヒット、究極の入れ食い状態だ(15:09)

釣れすぎたので少し休憩、このルアー良く釣れるなー(15:15)

いや、ここでは何を投げても釣れる気がする、笑

大きな目がかわいい(15:16)

森の小路をカメラ散歩(15:22)

小さな秋の実り(15:22)

ここはかつて蒸気船(外輪船)の船着き場があった場所らしい(15:29)

外輪船の燃料になる薪を、山から切り出して補給していたそうだ。

ここにあるいくつかのログキャビンは、船乗りたちの宿泊小屋だったそうだ(15:33)

まだかろうじてドアや屋根が残っている小屋もある(15:34)

屋根は意外と低いんだね(15:35)

小屋の内部(15:36)

鋳物の調理かまどが外に出してあった(15:36)

小屋の裏手で佐久間さんが大きなキノコを発見(15:38)

森の奥へ小路が続く(15:43)

下流が少し曇ってきたところで再スタート(15:59)

また日が差し込んできた(16:10)

注意!、「川の真ん中を行け」とのこと(16:10)

すぐ下流にはプレハブの小屋が、ここで長期滞在して生活している人がいるようだ(16:16)

ここまで堰堤も激流もなかったので、船外機付きのボートなら上流のジョンソンクロッシングや、下流のカーマックスまで行くことができる。まあ、どちらも100km以上あるけどね。

途中で船外機が壊れたら終わりなので、この川で見かけるボートは大型の船外機2機と小型船外機が取り付けられていることが多い。燃料は何百リットル要るのだろうか?。
それを考えるとカヌーは本当にエコだねえ。

またまた、写真のような風景がどこまでも続く(16:35)

川の流れが少し早くなってきた(16:36)

カートの Follow me(フォロー ミ)の掛け声で後ろについてゆく。ゲームのバイオハザードみたいだな、笑。今日のキャンプ地は流れの早い、やぶの間の狭い場所にフネを付けないと上陸できない(と英語で説明があった)。しかも川の中州なので、接岸に失敗したら漕ぎあがるのも再上陸も難しいとのこと。

カートの合図でカヌーを上流に反転させ、フェリーグライドで岸に寄せて着岸成功(16:50)

フロープで縛り、川に浮いたままのフネから荷物を降ろすが、ぐらぐらして少々怖い。

拾った枯れ枝を支柱に立ち木を利用して、上手にタープを張れた(17:19)

川の中州のいちばん下流側、左右からの流れが合流して大きなフネの船尾のような眺めだ(18:01)

中州と言っても長さは2~3kmはありそうな大きなもので、キャンプ地が川から5m近く高くなっていて下流への眺めが良い。

広々とした大きなキャンプサイト(18:01)

佐久間さんが酒のつまみを用意してくれた、もう本当に極楽(18:03)

クラッカーにサラミ、チーズ、ピクルス、ピーナッツにカキの燻製の缶詰め。どれもおいしそうだが一番はローストピーナッツをチーズ味にしたもの。病みつきになってしまい、これも帰りにスーパーで大量買いしてしまった。日本に持って帰っても大人気だったが、袋を捨ててしまってメーカーも商品名もわからない。黄色とオレンジ色のビニール袋なんだけど、誰か商品名とか知っていたら教えてほしい。日本で売っても絶対にはやりそう。

西日が差し込んで温かい(18:19)

こちらのサイトは川の眺めが素晴らしい(18:20)

今日はキャンプの最終日、夕日で荷物を干したり皆さんいろいろ支度をしている(18:20)

本当にたくさんの水がどんどん流れていく、この川の流域面積は愛知県の何倍ぐらいの広さなのだろうか?(18:27)

今日の夕飯はカレーライス、こんな原野の真ん中でカレーライスが食えるとは(18:30)

上流からカヌーが5隻ほど下ってきたが、ここを目指してきていたようだ(20:08)

そのまま下流方向に流れていったが、まだ明るいので大丈夫だろう。

山の向こうに日が落ちても、なかなか空は暗くならない(20:10)

いままで何十年もしてきた旅の経験を、一気に超えるような体験に圧倒された5日間だった(21:12)

ずっとこのまま、ベーリング海まで旅したい、本当にそう思った(21:13)

今夜も参加者みんなで、あれやこれやと語り合う(21:48)


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