・番外編:隠岐フォールディングカヤックツアー(島根県隠岐諸島)2016.6
7年ぶりにクーランマラン人力旅行社の隠岐ツアーに参加
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このツアー最大の島渡りを前に地図を使い全員でミーティング(12:09)
今日は、朝から既に20km近く漕いできているが、遠くにかすむ島前の西ノ島まで15km、手前の3角の二股島まで12kmある。このツアー最大の難所だけに、参加者全員の気合が入る。
最初の音部島という岩礁まで来た、ここでようやく3km強(12:23)
前回、7年前の参加時は海が荒れていてこの区間はパスするしかなく漕げなかった。今日は風もなく海も穏やかで最高のコンディション、後は一気に行くしかないでしょ!!
左に見える3角の二股島まで残り8km(12:31)
二股島を目指しているのだが、南に向いて漕いでいるので、西からの対馬海流に流される影響(ドリフト)を考慮して、事前のレクチャー通り少し右にバウを向けながら漕いでゆく。
目の前の目標だけ見て漕いでいると、どれぐらい流されているか分からないので、手前の目標(二股島)と、その後方に見える西ノ島の山並みとを重ね合わせ、ズレて行かないようにバウの振り幅(ドリフトアングル)を意識しながら漕いでゆくが、自分の漕ぐスピードと、場所によって異なる海流のスピードで連続的な調整が必要になる。
なにも考えずに目標にバウを向けて進んで行くと、知らぬ間に流されて最後は海流を相手に漕ぎ上がったり、途中で進路を変えて無駄な距離を漕ぐことになる。
ガイドの福田さんとジェットフォイル (13:50)
後方から場違いな金属音と共にジェットフォイルがスッ飛んできた。春に伊豆大島と、屋久島に行く際に乗ったが、海が静かならGPSロガーで75キロは軽く出ていた。
旅客船では、ほぼ海上最速 (13:51)
ジェットフォイルというのは民間用のネーミングで、元はボーイング929という別名を持つ。そう、飛行機のボーイング社が1960年代に開発したガスタービン動力の戦闘用ウォータージェット推進船(ペガサス級水中翼ミサイル艇:ウィキペディアより)として開発された7000馬力のフネなのだ。
ジェットフォイル
長い間、新艇の建造が無いため、再生産のハードルは高いらしい。日本各地のジェットフォイルも老巧化が進んでいるそうで、乗ってみたい人は早いうちが良いかも。
半分ぐらい漕ぐと海の色が深い青色に変わった (14:05)
ときどき休憩がてら、集合しながら漕ぎ進んで行く。その際は忘れずに水と塩分、糖分を補給する。
朝からずっと漕いでいる今回のような旅では、空腹や渇きを感じる前に継続的にカロリー補給をしておかないと、急に体がバテたりするので要注意だ。そのあたりは他の参加者の方も手慣れた感じでおやつを食べながら一休み。私のお気に入りは、ソイジョイと砂糖がたくさんまぶしてある一口ドーナッツだ、笑。
2時間半で12キロを漕いで二股島に到着 (14:41)
猫の耳の様に2つのとがった岩山でできているのが名前の由来なのか?
あまりの青さにカメラを水中に入れ撮ってみた 、笑(15:50)
再び漕ぎだすと、さらに海は青くなり紺色といった方が近い感じだ。まだあと3kmあるが西ノ島の東端にある冠島が近づいてきた。
さっそく洞窟に入りクールダウン (16:05)
西浦崎あたり、波にはげしく浸食された奇岩地帯が続く (16:28)
数百年前に隠岐の漁師さんが見たのと全く変わらない風景を、今この瞬間に自分が見ていると思うと少し不思議な気分になった。
もしかしたらもっと昔、数千年前からあまり変わっていない、、、、人間だけが生まれて死んでまた生まれ、、、だけど景色はかわっていない、、、
そんなことを急に思ってしまった。
どこまでも続く自然の芸術(16:28)
この辺りは、7年前に来た時は波が来るたびにバウ沈を繰り返すほどの大波を受けながら漕ぎ抜けた思い出の場所だ。カフナは全く危なげもなくこの海を進んでくれたのだが、反射波が怖くてかなり沖を漕ぎ抜けたので、今回はじめてゆっくりと間近で鑑賞で来た。
前回見れなかった場所をしっかり見ようと次ぐから次へと洞くつ探検(16:46)
この洞窟は途中でL字型に曲がった全長が50mは軽くありそうな洞窟。奥は全く目が利かないので、パドルの先が岩に当る感触や水音の反射を聞いて漕いでゆく。
カーボンパドルに傷が!!、などと言っている余裕はない。コウモリになったつもりで全神経を研ぎ澄ませて漕ぎ抜ける。
やっぱり崖下は怖いという事 (16:48)
洞窟を出て見上げると50mは軽くありそうな高い絶壁。以前から思っていたのだが、もろそうな砂礫岩の崖から落石とかあったら怖いなーと思っていたが、その瞬間を初めて目撃することになった。
この写真のフネの後方1mぐらいの場所にジュボッ!という音と共に50cmほどの細い水柱が立った、石の大きさはゴルフボールより一回り大きいぐらいか?
人間に当らなくても、フネに当れば船体布やフレームにダメージを受けたかもしれない
10cmの石ならそのままフネがくの字に折れたり、船体布を貫通して謎の轟沈になっていただろう。宝くじに当たる確率より低いかもしれないが、今後は断崖や洞窟の入り口は手早く通り抜けることにした。
大きな海食洞がいくつも続く (16:53)
白い岩では無くて、海食洞から見える向こう側の崖の景色(17:10)
中央下のカヤックの大きさと比較してみてほしい。
石灰岩が溶けたような?独特の風景 (17:13)
奇岩の展覧会の様な場所を、われわれ5人だけの貸切りで進んでゆく。私はこの「貸切り」という言葉に滅法に弱く、最高の贅沢をしているという気分になる。たとえ景色とうまい空気しかなくても。
山の場合は有名な場所に行けばいくほど人が多くて、げんなりしてしまうことも有るが、海ではそんなことはめったにない。人の入ってこないウィルダネスを日本で味わうには海の旅が一番だと思う。
放牧されている牛たちにじっと見られる、なんか怪しいもんが来たぞ?(17:15)
隠岐の観光パンフレットには人口と共に牛の頭数が書かれていて、島によっては人口の何倍も牛がいると書いてあった。実際、この先を漕いでいると、崖の上に牛たちを見かけることがよくあった。
ようやく着いた、耳耳浦(みみうら)キャンプ場の浜(17:21)
この日は島後を1/4回ってから海峡横断して、さらに西ノ島の北側を漕いできた
簡単に測っても50km、細かい凹凸を考えればもっと漕いでいるだろう、自分の中では過去最高の漕破距離だ。しかもリジットのカヤックより漕ぎが重い、荷物満載のファルトボートなので空荷のリジット艇に換算すれば軽く70km以上漕いだのと同じ計算になるだろう。ツアー中、最もハードな一日がようやく終了した。
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